イメージトレーニングの活用
 毎日の生活にダラダラと流されている我々も、元日だけは、今年の抱負は…と気取ってみたくなります。しかし、今年の目標を達成する人はとても少ないようです。
 そこで今回は目標達成の極意をとりあげてみましょう。(少々大風呂敷ですが…)
 
イメージトレーニングとは
 イメージトレーニングという言葉をお聞きになったことがありますでしょうか。スポーツ選手などが実際にスポーツをするのではなく頭のなかで行うトレーニングです。
 仮にスケート選手としましょう。彼はまずストップウォッチを持ち椅子に座ります。軽く目をとじ、リラックスします。つぎに自分がスケートリンクに入ってゆくところを頭のなかに視覚イメージとして思い浮かべます。スタートの合図を待つ時の緊張感、不安感などをイメージで感じます。イメージのうえでの合図とともに、ストップウォッチを押します。コーナーではこう滑り、直線ではこうと、氷上を滑る姿を頭にうかべます。そして、ストップウォッチをとめます。
 これがイメージトレーニングの例です。一流選手になると実際のタイムとこのイメージのタイムがほとんど同じだそうです。
 こんな実験も報告されています。バスケットボールのシュートが課題です。まず被験者全員にシュートをさせ、各人が何割成功するかチェックします。次に被験者を三つのグループに分けます。第一グループは、毎日実際にボールをもたせ練習させます。第二グループは、イメージトレーニングです。手にボールを持ったところを想像させます。そのボールを投げ、シュートが成功したイメージを毎日繰り返し頭に焼きつけさせるのです。第三グループは、練習もイメージトレーニングもさせません。数週間後、全員に実際にシュートをさせ、何割成功するようになったかチェックします。そんな実験です。
 結果は、第三グループは変化がなかったが、第一グループは成功率が上昇したそうです。注目すべきはイメージトレーニングだけやった第二グループの成功率が上昇したことです。イメージだけで実際の行動に変化を与えられるのです。
 
 
目標達成にイメージトレーニングを利用しよう
 
 このイメージトレーニングを『今年の目標達成』に利用してみてはいかがでしょうか。
「失敗するんじゃないか」「失敗したらどうしようか」と心配している時に限ってミスしてしまうという経験はありませんか。失敗したイメージを繰り返し頭に描く人は、現実の場面でも失敗する確率が非常に高いのです。目標を達成するには、成功したイメージを毎日視覚的イメージとして頭に繰り返し描き、焼きつけることです。
 仮に、「今年は人前に出て、モジモジせず明るく積極的にふるまいたい」を今年の抱負としましょう。
 まず、通勤電車の五分間だけをイメージトレーニングにあてます。座席に座るか吊り革につかまり、軽く目をつぶります。頭のなかで職場のミーティングの場面を想像して下さい。そこで、テキパキと発言している自分を思い描きます。明るく積極的な自分をイメージするのです。けして、こういう話し方で、まずこの点を確認して…などと論理的に考えてはいけません。ここが重要なのです。ボーと頭のなかで映画でも見るような感じでイメージするのです。
 次に昼休み。洗面所の鏡のなかの自分に「私は明るく積極的な人間だ」と二〜三回話しかけて下さい。モジモジしているイメージや「どうせダメだろうけど…」と自分に語りかけてはいけません。
 これを毎日続けてみて下さい。二〜三ヶ月もすれば変化があらわれると思います。
 
望ましい自分のイメージ作りから始めよう
 
 人はイメージの自分にあわせて現実の自分が変化してゆくようです。自分はダメな人間だとイメージすればそのうち本当にダメ人間になってしまいます。今年は、自分は信頼出来るという『イメージ作り』からスタートしてみてはいかがでしょうか。